今日は、令和6年度 第42問について解説します。

令和6年度賃貸不動産経営管理士試験 第42

賃貸不動産経営管理士に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

 

①  賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅管理業法における業務管理者に選任されるか否かにかかわらず、同法で業務管理者が行うべき事務を実施しなければならない。

②  賃貸不動産経営管理士の役割は、賃貸住宅管理業法で定められた業務管理者の業務に限るものではなく、賃貸住宅管理業者や従業者が実施する事務を自ら実施することも含めた、広範かつ多岐にわたるものである。

③  賃貸不動産経営管理士が、特定賃貸借契約において特定転貸事業者が行わなければならないとされている事務を実施等することは、賃貸住宅の入居者の居住の安定の確保及び賃貸住宅の賃貸に係る事業の公正かつ円滑な実施に寄与する役割を担う上で利益相反となる。

④  賃貸不動産経営管理士は、賃貸不動産の活用方式の普及等に積極的に協力し、取り組むことによって、国民生活の安定向上に貢献する役割を担う実務家であり、不動産をめぐる新たな政策課題への取組みや不動産政策を推進する役割は期待されていない。

 

 

解説

賃貸不動産経営管理士の役割に関する問題に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢を確認しましょう。

 


選択肢 ①

賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅管理業法における業務管理者に選任されるか否かにかかわらず、同法で業務管理者が行うべき事務を実施しなければならない。

 

×不適切です

賃貸不動産経営管理士は、業務管理者の要件資格として位置付けられていますが、業務管理者に選任されなければ、当然に業務管理者の業務を実施する義務はありません。

つまり、賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅管理業法における業務管理者に選任された場合は、同法で業務管理者が行うべき事務を実施しなければなりません。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ②

賃貸不動産経営管理士の役割は、賃貸住宅管理業法で定められた業務管理者の業務に限るものではなく、賃貸住宅管理業者や従業者が実施する事務を自ら実施することも含めた、広範かつ多岐にわたるものである。

 

〇適切です。

賃貸不動産経営管理士の役割は、単に賃貸住宅管理業法で規定された業務管理者の職務に限定されるものではなく、賃貸住宅管理業者の業務全般に関与することが期待されています。

選択肢の説明の通り、賃貸不動産経営管理士の役割は広範かつ多岐にわたるものですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 ③

賃貸不動産経営管理士が、特定賃貸借契約において特定転貸事業者が行わなければならないとされている事務を実施等することは、賃貸住宅の入居者の居住の安定の確保及び賃貸住宅の賃貸に係る事業の公正かつ円滑な実施に寄与する役割を担う上で利益相反となる

 

×不適切です

管理業者が貸主から委託を受けて行う管理業務は、法律的に代理業務に該当する場合もあり、賃貸不動産経営管理士もその業務を行うことがあります。

この場合、代理人である管理業者や賃貸不動産経営管理士は、貸主と借主の間で利益相反(一方が利益を得るときに、もう一方は不利益を得ること)となる行為を避ける必要があります。

ただし、特定賃貸借契約(サブリース契約)において、特定転貸事業者が行うべき事務を賃貸不動産経営管理士が実施することが直ちに「利益相反」になるわけではありません。むしろ、専門家である賃貸不動産経営管理士が適切に業務を遂行することで、入居者の居住の安定や事業の公正な運営に貢献できると考えられます。

つまり、賃貸不動産経営管理士が、特定賃貸借契約において特定転貸事業者が行わなければならないとされている事務を実施等することは、賃貸住宅の入居者の居住の安定の確保及び賃貸住宅の賃貸に係る事業の公正かつ円滑な実施に寄与する役割を果たすことが期待できます。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ④

賃貸不動産経営管理士は、賃貸不動産の活用方式の普及等に積極的に協力し、取り組むことによって、国民生活の安定向上に貢献する役割を担う実務家であり、不動産をめぐる新たな政策課題への取組みや不動産政策を推進する役割は期待されていない

 

×不適切です

賃貸不動産経営管理士は、賃貸不動産経営や管理の専門家として、賃貸不動産の活用方式の普及に積極的に協力して取り組み、不動産政策の推進とそれに伴う国民生活の安定向上に貢献することが求められています。

さらに、不動産をめぐる新たな政策課題や不動産政策を推進する役割を担うことも期待されており、具体的には、住宅セーフティネットにおける役割や民泊における役割などが挙げられます。

つまり、賃貸不動産経営管理士は、賃貸不動産の活用方式の普及等に積極的に協力し、取り組むことによって、国民生活の安定向上に貢献する役割を担う実務家であり、不動産をめぐる新たな政策課題への取組みや不動産政策を推進する役割も期待されています。よってこの選択肢は不適切です。

 


 

以上から、正解は選択肢②となります。

 

 

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